姫路市指定重要無形民俗文化財

別所西獅子舞


別所西獅子舞は古く応永の頃(1394年から1427年)から、継承されており、獅子どころ播州で大塩天満宮を始め周辺神社の獅子舞の原点とも言われ、獅子伝播の拠点として注目されています。

全国各地で行われている神楽獅子の形態を辿らず、古来のまま野生の獅子の形態を継承しています。毛獅子と称された頭から胴体、尾先に至るまで黒色の毛に被われています。二人の舞手がこれを被って舞う様は真に迫る力強さを感じさせます。野獅子を現わすための細かい動きにより、威嚇し、怯え、喜ぶ様を演じます。

獅子舞を奉納する目的は五穀豊穣と子孫繁栄です。獅子は雄雌からなり容姿を異にし、雄は威風堂々の貫禄、雌は優しく優雅な中に気品を感じさせます。雄は野生ながらも奏でられる曲に陶酔して舞い、その威容を誇りつつも勇敢なる剣豪には降伏し、能ある里人にあやつられて牙をおさめて服従する様子を演じます。雌は猛獣の威を忘れ、花に戯れたり蝶に誘われて静かに舞い続け、女性のあでやかさと愛らしさに一体となって遊び、さらには猿と共に仲良く遊ぶ様を演じます。

雨乞いの神を祀る日吉神社において、旱魃の時にのみ雨乞いの神事として行われていた梯子獅子は、雨乞いの神事が行われず現在では伝承されておりません。当地で知る者はほとんどいなくなりましたが豊富町金竹(甲八幡神社)に伝わり、現在も舞われています。




別所西獅子舞保存会